飲食業界で今年最も関心が高いのがHACCPの義務化です。施行したのは2020年でしたが、導入がスムーズに行われるように1年間の猶予期間が設けられました。そのため2021年6月から本格的な義務化が開始されます。事業者の規模によって、要求される内容は異なりますが、すべての事業者が対象となります。
この新たに必要とされる制度は、そもそもどのようなことを求められているのでしょうか。HACCPはアメリカのNASAが宇宙食の衛生管理のために利用した考え方がもととなっています。食品を加工して提供するときに、最も気をつけなければいけない工程を決めて、それを監視する基準を設定し、全数において検査することで安全性を確保します。これにより食中毒などのリスクを限りなく低くすることができます。
顧客に安全な食品を提供することが主な目的となります。HACCPは考え方であり、具体的な検査方法や基準などは決められていません、それぞれの事業者が製造している食品に対して自ら設定することが求められています。食品はいろいろな種類があり、すべて同じ管理というわけにはいきません。それぞれの特性や状況などに応じて、発生する問題も変わってきます。
それをしっかりと見つめ直すことで、個々に適した管理方法を構築することができます。基本的には今まで行ってきた衛生管理の見直しをして、ルール化することなので費用や設備を使わないでも十分に対応することが可能です。