製造現場・食品・医療・農業・サービス業などの各分野では、作業場・保管庫・人の居住スペースなどの環境を管理する必要があります。環境管理で重要なのは温度で、規模の大きな事業所や施設では多くの場所に温度計を設置して室温の測定が行われています。ただし単に温度を測定すれば良いというものではなく、測定して得られたデータを一括管理して空調のコントロールなどを行う必要があります。従来は温度管理を行う方法として、一括管理を行うコンピュータと各場所に設置された温度計をケーブル接続または専用の無線機を用いてデータ転送が行われてきました。
この方法だと各所のデータを集計して表示させるための装置やディスプレイを設置する必要があり、管理室以外の場所で環境測定の結果を得ることができないというデメリットが生じます。最近はスマートフォンを用いて各所で測定された温度データを集計して、持ち運びが可能なデバイスを使ってワイヤレスで温度管理ができるようなシステムが普及し始めています。スマートフォンを用いた温度管理の方法ですが、各所で測定されたデータはWi-FiやBluetoothなどを通して端末に集計されます。収集されたデータは専用アプリで処理され、数値をそのまま表示したりグラフなどで比較します。
端末に備わっている通信機能を使用するので、新たに無線設備やケーブルを設置する必要がありません。スマートフォンのディスプレイで簡単に温度管理ができるので、特定の管理スペースに居なくても環境管理の業務が可能になります。